「世界の衛生・環境・健康に貢献する」を掲げているパーパス企業のサラヤ株式会社による「神宮前 らかん・果」は、自然派甘味料「ラカント」の原材料である羅漢果をテーマに、低糖質な食事や飲み物を提供するカフェ+物販のアンテナショップ。SMOでは、同店のブランディングを担当しました。サラヤの代島さんに、お店のこと、パーパスのことをお聞きしました。

インタビュー:齊藤三希子(SMO)

こちらの記事は、SMOタブロイド誌「TOKYO 2019」から抜粋・編集したものです。タブロイド誌全編及び最新版の全編は、こちらよりダウンロードいただけます

 


 

齊藤:「神宮前 らかん・果」について教えてください。

代島: 1995年に発売した「ラカント」はおかげさまでロングセラー商品へと成長してきました。しかし、羅漢果というフルーツを目にしたことがないという方は日本にたくさんいらっしゃるので、もっと羅漢果や「ラカント」について知っていただけたらということでアンテナショップの構想が生まれました。

齊藤:「ラカント」は、低糖質ブームもあって一部の方にはよく知られていますが、羅漢果も合わせて、もっと多くの方に知っていただきたいですよね。

代島:私どもは安全・安心を重視するため、ファーム・トゥ・テーブルの価値観にこだわり、信頼できる農家さんと直に契約を結んできました。そして、農家さんの支援になればと、原料となる羅漢果を適正価格で調達したり、次年度の仕入れ量をあらかじめ約束したりしています。それから、羅漢果は中国政府が指定する保護植物であり、その種子や、生の果実を国外に持ち出すことが禁じられているので、輸入できる状態にするべく、現地に専門工場を作らなければなりません。そうなると、当然、コストが発生する。それが、商品の価格に反映されるわけですが、まあ、そうしたことは口で申し上げてもなかなか伝わりにくいので、羅漢果やラカントを実際に体験していただける場に、このお店がなっていけばいいと思っています。

ちなみに、羅漢果から抽出される「高純度 羅漢果エキス」は砂糖の300倍の甘さがある。活性酸素の除去、動脈硬化やガンの予防などにも効くと言われているんですよ。

齊藤:それは魅力的ですね。ところで、その「高純度 羅漢果エキス」を抽出するのはサラヤさんだけが持っている技術なのでしょうか。

代島:特許を取得しており、国内では我々だけが製造できます。ただし、しばらくするとその権利が切れるため、類似品がたくさん登場してくるでしょう。しかしながら、 ファーム・トゥ・テーブルの実践はたやすいことではありません。それを可能にしていることを我々は誇りに思っていますし、だからこそ「高純度 羅漢果エキス」といえばサラヤの「ラカント」が安全・安心であると多くの人々に認知していただきたい。

齊藤:それも「神宮前 らかん・果」のパーパスである、ということですね。

代島:ええ。最近、「SDGs(持続可能な開発目標)」が注目を集めていますが、このアンテナショップには、「世界を変革するための17の目標」のうち、「3」(=あらゆる人の健康な生活を確保し、福祉を推進する)、「8」(=みんなが参加できる持続可能な経済成長を促進し、全ての人が職をもち、働きがいのある人間らしい仕事ができるようにする)、「12」(=生産と消費のパターンを持続可能なものにすることを促進する)の3つのナンバーが付されています。

齊藤:サラヤさんはSDGsもそうですし、社会貢献にも大変力を入れていらっしゃいます。何かきっかけがあったのでしょうか。

代島:我々は日本で最初に薬用せっけんを作り、手を洗うことで戦後の日本を復興させようと志しました。その後、石油系合成洗剤による河川の汚染が進んで、洗剤が社会問題となり、環境への負担が少ない植物系食器用洗剤「ヤシノミ洗剤」を発売しました。しかし、21世紀になるとパラダイムシフトが起こり、原料調達がエコかどうかを問われるようになったのです。労働者の人権にもスポットが当たり、農園における労働者の人権に問題があると取り沙汰されるようにもなり、サラヤは21世紀も存続するために、会社の在り方を考え直す必要に迫られました。2004年からボルネオ島の環境保全を行うようになったのは、まさにそこに端を発しています。

齊藤:社会と共存しながら成長する道を歩むようになった、ということですね?

代島:はい。我々はメーカーです。プロダクトが会社の理念を伝えるメディアになる。2001年までテレビコマーシャルを打っておりましたが、微々たる量のCMを打ったところで砂に水を撒くようなものではないだろうかと考え、それを打ち切りました。そして、これからの時代はSNSなどを通じて企業のポリシーやアクションが広まっていくだろうと、ヤシノミ洗剤のホームページを整備しました。ただし、どんなに広報活動しても、プロダクトが誇れるものでなければ意味はない。「世界の衛生・健康・環境に貢献する」という創業当時からの企業理念を受け継ぎつつ、21世紀に相応しいプロダクトはなんなのか。企業としてどうあるべきか。パーパスをしっかり持つことがますます重要になると気持ちを引き締めているところです。

 

 

代島裕世(だいしま・ひろつぐ)

サラヤ株式会社取締役。早稲田大学第一文学部卒業。進学塾講師、雑誌編集、ドキュメンタリー映画の制作、タクシー運転手などを経験した後、1995年同社入社。商品企画、広告宣伝、広報PR、マーケティングを担当。特にCSR活動として2004年から「ヤシノミ洗剤」の持続可能な原料調達の視点に立ったボルネオ環境保全活動を展開している。NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン理事。

 

 

 


 神宮前 らかん・果 / JINGUMAE LAKAN-KA

和食中心のお料理は、調理に砂糖を使用せず、「羅漢果(らかんか)」由来の甘味料ラカントを使用しています。カロリーゼロで植物由来、ダイエットや糖質制限食にも活用されるラカントを使用したお料理は身体に優しく、ゆるやかな糖質制限にも繋がります。お弁当や、世田谷区等々力で人気のパティスリー「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」と共同開発したスイーツの販売もしております。



住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3丁目7-8  ブレノワール青山ビル

アクセス:東京メトロ 外苑前駅 徒歩7分/ 表参道駅 徒歩10分

03-6447-1805    info@lakan-ka.jp   www.lakan-ka.jp

営業時間:11:00-22:00 (L.O. Food 21:00 Drink 21:30)

定休日:不定休

席数:1F テラス10席 / 1F カフェ7席、 2F ダイニング 30席

ブランディング:エスエムオー株式会社

設計:株式会社エスキス

店舗プロデュース・運営:イートデザインオフォス株式会社

事業主:サラヤ株式会社

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