SMOが提供するサービスの一つに、トレンド予測や未来洞察があります。少し先の未来はもちろん、もっと先に、どんなことが起きるのか。それを把握し、想像することは、ビジネスにおける様々な意思決定の鍵になると考えているからです。そのため、世界各地のファッションウィークで開催されるコレクション情報もチェックを欠かしません。ファッションスタイルの動向はもちろん、ショーがどんなテーマで行われるのか、モデルや観客にどのような傾向が見られるのかなども分析し、様々な提案の参考にします。現在は、2020/21年秋冬のコレクションが、ロンドン・NY・ミラノに続き、パリで発表の最中。全体の潮流として、ファッションとサステナビリティは切っても切り離せない関係となってきています。


 

サステナビリティにおいては一歩も二歩も先を行く、ガブリエラ・ハースト。メーガン妃のお気に入りとしても知られるこちらのブランドは、ウルグアイの出身のデザイナー、ガブリエラ・ハーストが2015年からニューヨークをベースに展開しています。デザイナー自身が牧場で生まれ育った環境から、トレンドよりも伝統、スローな物作りや素材の成り立ち(どこで誰に作られたか)を重視する、ラグジュアリーブランドです。

今年も2月にNYで秋冬コレクションを発表、今回のコレクションのテーマは「Repurpose with a purpose」。すでに製品となっていたものをアップサイクルしたり、古い素材や切れ端を使ったり、リサイクルカシミヤの手織りニットなどを、”目的を持たせて再構築”しました。このコレクション発表にあたり、ハースト氏は英Vogue誌の取材に対して、「我々が生み出す商品の全てにはパーパスがある」と明言しています。

さらには、前回(昨年秋に開催)のショー以来、業界初の「カーボン・ニュートラル」なファッションショーにすることを約束。カーボンフットプリントを減らすために、飛行機移動を必要としないNY近郊在住モデルのみを起用、旬のローカル食材を使ったケータリングフードを提供し、バックステージでも電化製品を使わないヘアメイクを、とサステナビリティに徹底したショー作りにこだわっています。