毎年このニュースレターでお届けしている、アメリカの一大注目イベント・スーパーボウルで放映された注目コマーシャル特集。今年は開催が例年より一週間ほど遅く、レポートも遅くなりましたが、毎年注目の集まるスーパーボウルCMの数々の中から、今年は上記セミナーの内容に絡み、「自社のパーパス(もしくは理念)を軸としたサステナビリティ」に強く訴求したCMの3つをご紹介します。


Salesforce ”The New Frontier”

Salesforceの理念(コアバリュー)は、人とのつながり。人々の団結こそが力を生み、世界をより良く変えること。このCMでは、マシュー・マコノヒーを起用し、今私たちが住んでいる地球を救おうと人々に呼びかける姿を描きます。そこにあるのは、火星へ進出している会社に向けての批判。火星・宇宙を目指すより、まずは地球の皆で団結して、今私たちが住んでいる地球を救おうというメッセージが込められています。


 

General Motors ”Dr. EV-il”

“A world with zero crashes, zero emissions and zero congestion”(世界から交通事故、ガスの放出、そして渋滞をなくす)というビジョン(WHY WE’RE HEREという位置付けのビジョンのため、パーパスに代わるものと捉えます)を掲げるジェネラル・モーターズのCMでは、オースティン・パワーズのオリジナルキャストが復活し、電気自動車を推進。“Help save the world”をテーマに、サステナブルな取り組みへの意思表示をしました。


 

Hellmann’s  “Mayo Tackles Food Waste”

食品を通じたサステナビリティを掲げるHellmannのマヨネーズのCMでは元フットボール選手Jerod Mayoが出演し、Mayoの名前とマヨネーズをかけて、食品ごみ問題に取り組む様子をフットボールのタックルにかけてアピール。マヨネーズ商品の宣伝よりも、フードロス問題への訴求をメインに置きました。


 

スーパーボウル広告枠で多くを占める自動車のCMについては、電気自動車メインにシフトしているものが多いようですが、アメリカの大量消費の象徴とも言えるスーパーボウルイベントで、消費とはいわば逆のサステナビリティに訴求するものはまだまだ少数のようです。とは言え、こうした企業が少しずつ声を上げていくことで、今後の流れは変わっていくことでしょう。サステナブル視点から見たCMトレンド、引き続き、注目です。