ブラックロックは世界で有数な投資運用会社の1つです。ブラックロックが2018年に全国のCEOに宛てた手紙の中では、ビジネスにおけるパーパスの重要性について触れられています。この手紙にはすばらしいことが多く書かれており、その中からいくつか抜粋してご紹介します。

 

よりパーパスを充実させる必要のある企業の背景について:

 全ての企業に対する社会からの期待はかなり高まってきています。企業は社会的に意義のあるパーパスのために働くべきだという声が高まっています。末永く繁盛するためには、企業は売上業績を上げるだけではなく、自らがいかにして社会に貢献するのかを示す必要があります。企業は各ステークホルダーにとって有益であるべきであり、そのステークホルダーとは、株主、従業員、顧客、そしてその企業が関わっているコミュニティーのことを指します。

パーパスがない場合:

 パーパスの概念無くして、民間・公共関係なく、その企業のもつ可能性を最大に活かすことは難しいと言えます。主要なステークホルダーに対する取引の権限を失い、短期的な売上げの数字を上げることだけに追われて、長期的な成長のために本来必要である社員教育や研究発明、設備資本などへの出資を犠牲にすることになります。またその過程で、アクティビストのデモ活動が起こり、一見明確な目的を打ち出してはいても、短絡的な目標を叶えるだけのものにすぎません。そしてついにはその企業は将来、退職金、マイホームや学費を払う目的で行っている投資に対して、大したリターンを生み出すことができないという結果になってしまいます。

パーパスと利益について:

 企業の戦略は、売上業績を上げるまでの道筋を明らかにする必要があります。しかし、そのパフォーマンスを持続させるためには、停滞気味な賃金上昇から気候変動に対する高まるシステムの自動化いたるまで、広く構造的なトレンドだけでなく、自分のビジネスが社会に与えるインパクトについても理解しなければなりません。

企業の役割と影響を理解するために:

 企業は自らの存在意義を問われています:自分たちはコミュニティーの中で何の役割を果たしているのか?自分たちが環境に与える影響をどのように管理するのか?自分たちのやっていることは多様な仕事を生み出すものか?私達はテクノロジーの進化に追いついているのか?自分たちはどんどん自動化されていく世界に対応していくために必要となるリトレーニングや機会を提供しているか?自分たちは行動ファイナンスとその他のツールを利用して、従業員の退職時に備え、彼ら・彼女らが自らのゴールを達成するための投資ができるようにしているか?

リンク:ラリー・フィンクが全国のCEOに宛てた手紙

 

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