カリフォルニアの有名な国立ヨセミテ公園の隣にはホワイト山地が山々を連ねる。この山地には、羊、鹿、馬の他に、世界最古の大樹が立つ。約5000歳と見られるこの杉の一種は、メトシェラという名前で親しまれている。(メトシェラは聖書に登場する人物で最高齢であった)

メトシェラのような杉の木は、高い標高の場所で個々の茂みの中でゆっくり成長し、極寒、干魃、暴風にも耐え凌ぐ。単純計算すると、これらの木々はエジプト人がピラミッドを建立した頃に芽生えたと予想できる。

長生きで繁栄的なメトシェラはサステナビリティの象徴として見ることができ、臨機応変に対応できる企業づくりを行う上でのヒントにできるものもある。

古い木は生態系を形成する役割を担っている。枝や葉は鳥や着生植物の住処となり、種は地上の動物の餌となる。根のネッ

トワークは他の木、また競合の植物までにもに栄養を行き渡らせる。育とうとする種はこのような大樹の近くにいることで生存確率が格段に上がる。また、太く、広く、広がった根は困難に直面したときに重要な基盤となる。

 

現代の本質的なビジネスマネジメントのテーマは明確である。

自社だけではなく、ステークホルダー全体に気を配ること。ゼロサムゲームを捨て、競合と協力し、社会全体に潤いを与えること。未来の世代に投資すること。自分のルーツを理解すること。

 

大樹から学べる教訓はどう現代の企業に反映されているのか?

どのように企業はこのような大樹のようになれるのか?

これらの問いは、今年度公開したSMO TOKYO 2023のメインテーマ:サステナビリティの起点となる。

環境という意味でのサステナビリティだけでなく、人、文化のサステナビリティ。私たちが創る企業のサステナビリティ。

TOKYO 2023では、「人々」、「企業」、「地球」の3つの観点からサステナビリティを掘り下げ、それらと「パーパス」との関わりを考えた。

パーパスというレンズからサステナビリティを見つめ直す機会となることを願っている。

 

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