SMOは、ベストセラー作家でありアントレプレナーのサイモン・シネック氏に「パーパスの重要性」について単独インタビューを行いました。本誌刊行のTOKYO2019に掲載し、大変反響の大きかったこちらの記事を、全4回に分けてお届けしております。(第2回目) →第一回の内容はこちら

SMO: 昨年BlackRock社のCEOが「A Sense of Purpose」と題して“企業はさらに高い志のパーパスを掲げていく必要性がある” という書簡を投資先に送りました。また、ファッション業界でも今年の影響力のあるトレンドとしてパーパスを挙げています。パーパスの重要性は分野を超えて広まっているように感じますが、なぜここまで重要視されているのでしょうか?

本物が何か問い直し、本物を追求する時代がきている。

サイモン:まず言えるのは、本物を求める潮流です。本物であるというのは、自身が何かを信じた上での発言や、信じたうえでの行動からのみ言えることで、そこにパーパスが存在するのです。前向きで、正しく、良いものを信じ、常にその信念を証明しようとすることで、自分が誰なのか、何のためにいるのかが明確になり、そこに信頼が生まれます。誰もが本物の組織やリーダーのもとで働きたいと考え、本物のブランドからモノを買いたいと思っています。本物とは信頼あってこそ生まれるものであり、そこからロイヤリティが生まれてくるのです。次に言えるのは、ミレニアルが労働人口のメインとなり、さらにZ世代も加わろうとしていることです。ミレニアルは、グローバルとローカル、それぞれのニュースが同時に入ってくるようになった時代の人々で、情報に通じていて、気づきも多く、小さい頃から周囲の人々、さらに言えば世界全体に、良いことをしようという思いを強く持っています。そのため、いまの世の中の働く人や消費者の多くは、パーパスを実行する組織を好むのです。また、この世代の若者はテクノロジーに囲まれた環境で育っています。スマホをいじればやりたいことが満たされ、即時にして満足感を得られてしまう。タクシーを呼んだりフードデリバリーを頼んだりするのにはそれで良いのでしょうが、人生やキャリアにおける充足感に関しては、それを満たすアプリはありません。経営陣や組織には、従業員がそこに所属しているという繋がりやアイデンティティー、そしてパーパスを意識できる職場をつくる必要が出てきます。単に仕事をする場所を提供するのでなく、その仕事の意義を明確にすることが、従業員にモチベーションやロイヤリティをもたらします。パーパスが明確であれば自分が属するべき場所、自分が活躍できる場所が明確になります。そして個人が活躍することで、組織も活性化されるのです。

インタビュワー : ジャスティン・リー (SMO)

SMOでは、このサイモン・シネックのWHY理論に大きく関連するパーパスブランディングイベントを7/24に開催いたします。SMOからのお知らせ(ニュースレター)を受け取るご登録はこちら


 

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