先日、日本版HBRの最新号が「パーパス・ブランディング特集」であることをご紹介しました。長年パーパスコンサルティングを行っている弊社としても、昨年くらいからじわじわと、日本にもパーパスの波が来ていることを実感しています。

では、このパーパスの波、一度来たあとは、去って行ってしまうのでしょうか?

ここで、前回開催したウェビナーで、弊社CEOの齊藤が話した内容をご紹介します。

「何年も前にパーパスをテーマにセミナーをやっても、お客さんは数人しか集まってくれませんでした。今ではだんだんとパーパスの概念が広まり、セミナーでもたくさんの方が視聴してくださいます。その反面で、 パーパスが、バズワード的に捉えられてしまっていることに、一種の懸念を覚えています。パーパスは、決して一過性の流行りの類のものではありません。流行っているからといって安易に取り入れても、うまくいかないどころかマイナスになるかもしれません。しっかりしたパーパスを正しく設定し、浸透させ、使っていくには、多大な努力と時間を要しますが、この激しい競争の時代、パーパスがないことには、生き残れないのです。」

 

世界最大の広告賞である、カンヌ・ライオンズも、今年度は残念ながら中止となってしまいましたが、昨年までのキーワードであった「パーパス」に対して、今年は「ポスト・パーパス」つまり、”パーパスの次に来るもの”をテーマの1つとして繰り広げられる予定となっていました。この背景として、一部で言われていることは、「企業が存在理由を突き詰めるほど、どの企業も”地球のため” “社会のため”ばかりを謳うようになり、消費者が見分けがつかなくなってくるし、飽きてくる」という問題です。

しかし、しっかりと作られた「良いパーパス」は、そのように消費者を困惑させることはありません。企業ごとに存在する『ならでは』の存在理由をいかにわかりやすく表現するか。他とは違うユニークさを出すということが、パーパス策定において、非常に重要なのです。

そして、パーパスは、決めれば終わり、ではありません。一度策定したその先には、パーパスに関する浸透・学び・確認・・・といった作業が社内外に向けて永遠に発生することになります。

今、せっかく到来したいい波です。パーパスの波に一度乗り始めた企業は、うまく乗れた後も、経営活動をしていく以上、ずっと航海を続けなければなりません。しかし、海に出なければ、ビジネス競争にも参戦できません。私たちは、クライアントが長い長い航海に耐えうるように、その船の基盤づくりをし、うまく波に乗り出せるように岸辺で船出を押し出します。目立つための装飾で飾り立てるよりも、船の根本構造をしっかりさせることに注力して、時には、転覆しないように支えます。そうして、10年・20年と航海の続く偉大な企業、偉大なブランドを創り上げていくことが、私たちSMOのパーパスです。

 


SMOは組織にパーパスを策定・浸透させ、パーパスドリブンな変革を目指してお手伝いをするコンサルティングファームです。
SMOウェブサイト