SMOの3つの柱と呼んでいる事業内容の1つに、「Future Insight」があります。

1−3年スパンで考えるトレンド的な未来の予測もあれば、10年後、20年後、さらにはその先を考える、未来洞察も含まれます。

トレンドの動向を先取りするには、やはり最先端の海外事情を掴んでおくことが重要です。SMOの広報担当・平原が、久々のアメリカ西海岸出張で感じた、ますます強まっているサステナビリティへの兆候についてのレポートを前編・後編の2回にわたってご紹介します。

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SMO 広報兼SDGsコンサルタントの平原依文です。先月出張で訪問したサンフランシスコで見て感じた、最先端サステナビリティ事例についてご紹介します。

一言で表現すると、ブランドの魅せ方が「消費への誘導」から「未来への投票」に変わっていました。今回はその中で特に印象的だった、Targetの事例をご紹介させていただきます。

Targetと言えば、アメリカで言わずと知れた大型小売の大手。小売と聞くと、「大量生産・大量消費・大量廃棄」の印象が強いですが、Targetは、詰め替え可能・再利用可能・堆肥化可能・リサイクル素材・プラスチック使用量削減素材など、廃棄物削減に配慮した製品や包装を顧客が識別できるようにするためのイニシアティブ「Target Zero」を開始しました。

Target Zeroを実現するための店舗が、今回訪問したサステナビリティ特化型店舗「Zero」ストア。

お店の前にある看板には、「廃棄物の削減について学び、サステナブルな暮らしをしよう」と書かれています。お店が「購入の場」から「学びを得られる場」に変わっているのが分かります。

 

お店に入っていくと、空間全体が「学び体験」そのもの。
商品の説明だけではなく、日々の日常生活でどんなことを工夫できるのかが表示されていました。

 

例えば、川や湾を守るための節水の工夫アイデアを掲げた看板。

一方的にスタッフが選んだ商品を並べるのではなく、「このお店に置くべき廃棄ゼロ商品は?」と、黒板スペースを設置しての問いかけもありました。紙が貼ってあるご意見板は日本でも見かけますが、黒板書き込みスタイルにもエコ感が感じられます。

大手小売のTargetがここまで大胆な一歩を踏み出したことは大きなことであり、今回の訪問を通じて「未来への投票」に繋がる「対話」がブランドに求められることだと改めて実感しました。

次回後編では、「ジェンダー」と「循環型建築」の事例をご紹介したいと思います。