1995年に出版された「BUILDING A VISIONARY ORGANIZATION IS A DO-IT-YOURSELF PROJECT: A CONVERSATION WITH JAMES C. COLLINS」(明確なビジョンを持った組織を作ることは、DIY(ドゥイットユアセルフ=自分でする)プロジェクトである:JAMES C. COLLINSとの対談)の記事は、20年以上経った今でも、いまだに使える原則やアイデアがたくさんありそうです。

以下、「我々の存在意義は?」章より、記事の抜粋です。

あなたの会社の事業の中で、時代を超越したコアバリューとは何ですか? なぜその会社は存在しているのですか?あなたの会社を閉鎖したとして、皆が雇用の場を失なわずにいられることができるとしたら? その場合、何を失うでしょうか? それ以外にもっと悪い状況というのは? そうしたことを考えてみると、あなたがやっていることのすべてをパーパスと並べて「現在やっていることは、パーパスに沿っているのか?」と再考する機会になります。

医療業界は、他ジャンル同様、組織改革と再編成が行われています。 ほか業界よりもさらに混沌としています。 急性医療は縮小方向にあります。 それでも、パーパスの核をしっかり持っていれば、コンテキスト(文脈)ですべてまかなうことが出来ます。 その際、質問となってくるのは、

何故なのか? だから何なのか?なぜここを閉鎖しないのか? ということです。

企業は株主に利益を還元するために存在し、非営利団体であっても関係者の利益還元のために存在するので、生き残りのためには利幅が当然の事のようにされています。しかし、我々が研究したすべてのビジョナリー・カンパニーは(その全てが、かなりの収益企業)、利益以上に、他のことを重要視しています。

人生とは食べることでしょうか? 生き残るためには食べることも必要ですが、私たちの人生とは、食事以上のものです。 組織は生き残るために利益や利幅が必要ですが、優れた会社になるためには、サバイバルだけでないことが必要です。 Hewlett-Packard(HP社)のデイビッド・パッカードは、HP社の存在意義は、技術的な貢献であることを理解していました。 ですが、技術的な貢献をするためには利益を生み出すことが必要です。 利益は、組織の目的を追求するために必要な「条件」でしかないのです。