7月にノミネートが発表されていた、アメリカのTV会で様々な業績に与えられる賞、エミー賞。このたび各部門での受賞作品が発表され、先月のニュースレターでご紹介した近藤麻理恵氏(こんまり)のNetflix番組は惜しくも受賞を逃しましたが、クリエイティブアート部門において、ナイキのCM「Dream Crazy」がアウトスタンディング・コマーシャル賞に選ばれました。

このナイキCMこそ、SMOが現在連載執筆している、『宣伝会議』誌のバックナンバー8月号・初回コラムの冒頭でご紹介させていただいたパーパス事例です。元NFL選手のコリン・キャパニックが、3年前の公式戦で、国歌斉唱中に片膝をつく形でアメリカの人種差別問題を訴えたことから議論を巻き起こし、彼はNFLを追放されることになりました。しかし昨年、ナイキは大胆にもキャパニックをキャンペーンに起用し、彼の顔写真に「全てを犠牲にしても、信念を貫こう」のメッセージを添えたこのCMを出しました。これは、ナイキのパーパス「スポーツの力で世の中を前進させる。全ての人が健康で平等に競える、公平でサステナブルな未来を信じて」という信念に基づいたものです。

これによりナイキへの不買運動など新たな物議を醸し出し、一時はナイキの株価を下げたりもしましたが、その後の株価は史上最高値を更新、キャパニック起用のニュースだけでもメディア露出の効果は48億円相当に上ったとも言われています。大きなリスクを背負っても「全ての人が平等に競える公平性」という信念(パーパス)を持ってキャンペーンを打ち出した結果、年配層からは反発されても、ナイキのユーザー世代からは大きな支持を得ることとなり、こうしたエミー賞の受賞などもあいまって、改めてナイキのブランド力を見せつけています。

このように、パーパスがいかに、組織にとって重要か、それをどうブランディングに活かしていけるか。この事例はその一つに過ぎず、多くの事例を添えて、『宣伝会議』コラム上でご紹介しています。バックナンバー8月号から最新号まで、デジタル版及び冊子でお読みいただけます。まだの方は改めてぜひご覧ください。