弊社SMOで、東証プライム上場の全企業1839社の企業理念を全て調査し、その中から公式に「パーパス(もしくは英語でPurpose)」を掲げている企業のパーパス・ステートメントをリスト化、発表した「PURPOSE STATEMENT LIST2022」。

こちらの資料をもとに、アメリカ在住コンサルタント:Justin Leeによる、日本・海外のパーパス・ステートメント比較解説「パーパスリストから学ぶ、良いパーパスを表現するためのポイント」を先日セミナーでご紹介しました。計4回となる連載の、今回は第2回をお届けします。(第一回はこちら


 

第2回 「 Who is it for? だれのために」

今回取り上げるのは、「誰のために」というパターンです。
一つ、良い例をご紹介します。

日本のインテリア商品を扱う専門商社のサンゲツのパーパス・ステートメントは、まさにその典型です。

「私たちは、新しい空間を創り出す人々にデザインするよろこびを提供します。」

 

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そして海外の例ではStanley Black and Deckerがあります。175年の歴史を持つ工業用の工具、ツールメーカーです。


彼等のパーパスは

Providing the best tools for those who make the world.

つまり、世界を作る、世界を変える人たちのために一番のツールを提供することです。

 

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サンゲツとスタンレー、両社のパーパスで注目したいのは、顧客をどのように表現しているかということです。

彼らは顧客を一般的なデモグラフィーの観点で表現していません。実際に彼らが表現しているのは、カスタマーが何を達成しようとしているのか、どんな意義のある仕事をしたいのか、を伝えようとしています。

 

 


【 Key Learning 】


サンゲツとスタンレーのパーパスから学べることは、二社とも、カスタマー/顧客にスポットライトを当てていること、つまり、カスタマーの仕事、彼らがやっている事が、いかに意味があるかを語っているというところです。このステートメントはこのストーリーを信じる人たちの心に響きます。

ブランドや企業が外部コミュニケーションをする時、また積極的にパーパスを打ち出す必要性がある時には、この二社のように、誰のために-Who is it for-を明確にしたパーパスを検討するのも良いでしょう。

 

 

■「パーパスリストから学べる、良いパーパスを表現するためのポイント 第3回」へ続く