パーパス・ブランディングの中心となる「パーパス」。
では、パーパスは一体どのようにして発見するのか?この連載では、パーパスを発見するためのヒントと知見をご紹介したい。
第4回 強みを考える(続き)
SMOが考えるパーパスの構成要素は、主に以下の3つで成り立っている。
- 自社の強み
- 自社の情熱
- 市場、世の中からのニーズ
この3つが交わるところに、自社の存在理由がある。この部分を深掘りし、探り当てて言語化したものが「パーパス」となる。
前回は、自社の強みを洗い出すためのブレインストームアイデア、およびそのフレームワークを紹介した。今回は、強みのブレインストームの後に行う、重要な強みの特定の作業について説明する。
この作業にチームで取り組む場合は、皆で強みのリストを見ながら、直感的に重要なものを選んでいくのは方法の1つだ。
その強みが重要かどうかの判断
クライアントから時折、強みが重要なのかをどう判断するのか?という質問を受けることがある。分析的でデータドリブンなチームにお勧めの、より方法論的アプローチを紹介しよう。
『The Four(邦題:the four GAFA 四騎士が創り変えた世界)』の著者で、NYUビジネススクールのマーケティング専門のスコット・ギャロウェイ教授は、「3つのハードル」という汎用性の高いフレームワークを紹介している。
このフレームワークでは、戦略的な意思決定や要素を3つの質問から評価していく。
- 【differentiation】他と差別化されているか?(競争視点)
- 【relevance】市場との関連性はあるか?(顧客の視点)
- 【sustainability】自社の資源や強みで持続可能か?(自社視点)
これらを強みの要素リストに当てはめることで、そこからより重要な要素を絞り、本質的な強みを特定することができる。(数字に強いチームであれば、スプレッドシートで強みのリストを作成し、3つの視点から点数をつけると、より定量的な見方ができる)