初の東京で見た、2つの景色

私が初めて東京駅に降り立った時— まるで森の中でさまよっているかのような感覚でした。ただし、周りには木でなく、高層ビルがそびえ立っていました。正面にはビル、右にも左にも後ろにも、どこもかしこもビルだらけの景色でした。スマホが普及する前の時代のことです。頼りになるグーグルマップもなく、行く先にたどり着くまでに苦労しました。

一方で、いわゆる観光客お決まりのコースで、東京タワーを訪れました。約40階をエレベーターで上がり、ドアが開くと、東京のパノラマビューが広がります。奇妙な形のビルが並んでいます。富士山や、観覧車があるベイエリア、夜になると虹色にライトアップされるベイブリッジも見えます。私は、その景色に感動したものでした。

 

2つの経験から、自分自身を考える

東京駅と東京タワーの上での体験を振り返ってみると、シンプルで当たり前ながらも、深い真実を発見しました。それは、高いところにいると、見晴らしがよくなって、より多くのものが見えるということです。

そして、私は考えました。自分自身を、もっとよく見える位置にもっていく方法はないだろうか?人生で何ができるのか、あらゆる可能性を見出せるような、高い位置から物事を見れる方法が。

その方法は、存在したのです。

私を駆り立てるもの、私を喜びで満たしてくれるもの、私が情熱を注ぐもの。これらが何かを分かっていれば良いのです。それこそが、自分自身のパーパスを理解することです。そして、そのパーパスのレンズを通して、物事を見ることができれば、高い位置からの良い眺めを見ることができるのです。

 

自分の道を見失って

20年以上、戦略コンサルタントとして働いてきて、私はある時、コンクリートジャングルに閉じ込められたような気分になりました。頭の中の景色はビルに囲まれ、進むべき道が見つかりません。

問題は、私が戦略コンサルタントとしての自分しか見ていなかったために、境界線を作っていたことでした。私の仕事は戦略を設計することだけだという境界線を自分みずから作っていたのです。

 

もう一度眺めてみる

そんなある時、私は東京タワーを遠くから眺めていました。真っ赤な二等辺三角形を見ながら、初めて東京タワーに登ったときのことを思い出していました。そこで、ふと気がついたのです。

自分のパーパスを見失っていた、ということ。私は地上の低い位置でものごとを見ていたのです。私は自分のパーパスを再確認する必要がありました。

何度も何度も、そしてたくさんのことを考えました。自分自身でだけでなく、友人とも一緒に。

そこで学んだのは、私の場合は、人々がつまづいた時に、物事を別の角度から見て前進できるように彼らを助けてあげられた時、そこに自分自身の意味を見出すことができるということでした。そのように考えると、私の仕事は戦略設計だけに限られず、執筆や指導などの形で人々を助けることも、私がするべき仕事に含まれることになります。

 

つまり、「何をするか」に縛られないということ。自分自身をスパークさせ、輝かせるもの、自分自身のパーパスを見つけることです。

パーパスはあなたを高めてくれます。そして、さらに良い景色が見られるようになります。それは、あなた自身に、より刺激を与えてくれることでしょう。

 

(Justin Lee)