オリンピックに続き、開催中のパラリンピック、皆さまはこちらの開会式はご覧になったでしょうか?
オリンピック開会式は直前に辞任劇のゴタゴタがあったせいなのか、正直、終始「一貫性がないまま色んな演目が披露された」という印象でしたが、一転、こちらのパラリンピック開会式は、「WE HAVE WINGS」というテーマに沿って物語が繰り広げられ、「コンセプトがしっかりしていて一貫性があり、とても素晴らしかった」という感想を多く見かけました。実際に、国内だけでなく、海外メディアからも概ね高評価を得たそうです。この2つの開会式の両方をご覧になった方々は、おそらく、”コンセプトの一貫性の重要さ”というのを、改めて感じられたのではないでしょうか。オリンピック開会式だけは観たけどパラリンピック開会式は観ていない…という方は、ぜひ見逃し配信をご覧になってみてはと思います。
さて、この「コンセプト」は、私たちSMOが常日頃から、「パーパス」と合わせて重要と唱えているものの1つです。私たち独自で提唱しているメソッド「PCSEモデル」について、CEO齊藤の著書『PURPOSE BRANDING〜「何をやるか?」ではなく、「なぜやるか?」から考える』から引用してご説明します。

人でも組織でも「何かを実行する」という時には、大抵の場合、”何か考えて”から”行動”に移すことになります。

この“何か考えて”というのは、企業の場合「戦略(S)」と呼ばれ(中略)、それらの戦略を実行可能なものとするためには、すべての戦略を束ねる、より大きい方針や基本的な考え方が必要になります。それが「コンセプト(C)」です。組織やブランドの「概念」を示すものです。

では、コンセプトがしっかり定まっていないケースはどうなってしまうのか、また、今回のオリンピック開会式のように、様々な障害が発生し、あったはずのコンセプトにブレが生じてしまうケースを防ぐには、どうするべきなのでしょうか?(以下、著書より引用)

戦略は実現性が問われるのに対し、コンセプトは人を惹きつける魅力的なものである必要があります。しかし、それであるが故に、かっこいいとか、流行っているといった 理由で決めた安易なコンセプトで、表面を綺選なもので取り繕うだけで終わりがちです。そのような核心の軸が定まっていないコンセプトは、うまく進んでいないから変えてしまおうとか、競合他社がこうやって対抗してきたからうちはこっちで行こう、という具合に移ろってしまう可能性があります。

 

コンセプトから戦略、そして実行まで、一貫してブレのないもにするために必要なものがあります。

それは、そもそも“なぜ〇〇はあるのか?”“なんのために〇〇は存在するのか?”といった本質的な問いに対する回答です。

つまり、行おうとしていることの「パーパス(P)」を明確にする必要があるのです。

スポーツの大会の中で行われる式やショー、または企業の中で開発されるプロダクツ、こうした「コンセプト」を求められるもの全てには、そのコンセプト自体の軸がブレないようにしっかり定まっていなくてはなりません。その軸となるものが、組織そのものの存在理由=パーパスであり、それを関わる人全てがきちんと拠り所にできているかどうかなのです。