ビジョン”とは、未来についてのことを、まるですでに起こったことのように明確に話すことである。―サイモン・シネック

私たちはみな、目標をはっきりイメージすること、つまり「ビジョン」がいかに重要かというのは知っています。

では、ビジョンとは一体、何でしょうか?そこにあるべき要素とは?

 

ビジョンが一体何であるのか、具体的には、人それぞれ違った見解もありますが、ビジネス界の名著として知られる『ビジョナリー・カンパニー : 時代を超える生存の原則 (原題:Built to Last: Successful Habits of Visionary Companies』の著者ジム・コリンズはビジョンをこのように定義しています。

熟慮されたビジョンは2つの主要素から成り立つ。それは、―「コアとなる価値観」と「将来像」である。ここで注意すべきなのは、「核を貫く」ことと、「進歩を促す」ことの2つの基本原理が並列になっていることである。良いビジョンは、陰と陽という補完し合う2つの力の相互作用の上に成り立つのである。つまり、「自分はどうあるべきか、そして何故存在しているのか」(=コアとなる価値観)という変わることのない定義を示した一方で、到達までには大きな変化と進歩を要する「自分(たち)は何を目指し、達成・創造するのか」(=将来像)もはっきりさせている、これこそが良いビジョンとなるのである。

 

また、こちらもビジネス界ではおなじみ『ザ・ビジョン〜進むべき道はみえているか(原題:Full Ahead! Unleash the Power of Vision in Your Work and Your Life)』の著者、ケン・ブランチャード(Ken Blanchard)はこう説明しています。

説得力のあるビジョンの3つの必須要素は、

しっかりしたパーパスと

明確な価値観、

そして未来像である。

 

こうした定義はビジネス的でわかりにくいので、辞書での定義を確認すると・・

 

ビジョン : 見ること、あるいはその能力―(Webster辞書)

 

つまり、簡潔には、ビジョンとは未来への旅をしたときに見えるもの。「未来像」という言葉の表すとおりです。

 

 

未来像の3つの要素

ブランドコンサルタントとして、ある企業のビジョン再考に関わる機会がありました。その際に、ビジョンステートメントについて改めて研究をしてみました。

そこで気づいたのは、未来像が以下の部分のすべて、あるいは複数を含んでいるということです。

  1. あなたは何を目指しているのか?
  2. あなたの行為は、顧客にどんな変化をもたらすのか?
  3. あなたの行為は、あなたや顧客が住んでいる世界にどんな変化をもたらすのか?

それゆえ、総合的な未来像を描くためには、これら3つこそが、考えるべき、そして明確にするべき要素なのです。

 

ではここで最後に、考えてみていただければと思います。

あなたの描く未来像はどんなものなのかを。