世界最大の資産管理会社ブラックロック社のCEOラリー・フィンク氏といえば、毎年1月に、世界中の経営者に向けて”フィンク・レター”と呼ばれる年次書簡を送ることで有名です。2018年の書簡で、「企業はパーパス主導でなければ長期的な成長を持続できない」と発信し、昨年2019年の書簡でも同様にパーパスの重要性を訴え、それによりパーパス主導による経営は、ますます世界的な潮流となって来ました。
2020年、世界中の経営者へ宛てられた内容はどんなものだったのでしょうか。今月半ばに出された今年の書簡について、SMOのパーパス・コンサルタント Justin Leeが解説します。


 

BlackRock社がサステナビリティに関する新イニシアチブを採用したのに伴い、今年の書簡は、気候変動リスク=投資リスクとして、企業が長期的に発展するには、 「政府・企業・シェアホルダー皆が、気候変動に立ち向かわなければならない」と強く述べました。

 

ただし、気候変動リスクの解決は全てではなく、あくまで企業の責任の一つ、としています。フィンク氏は、その他の例として、サプライチェーンの持続性、消費者データのプライバシー保護、積極的なダイバーシティ採用、そして、それらの取り組みへの透明性などが必須だと述べました。そして書簡の中盤で、過去2年のキー・メッセージであるパーパスについて触れ、成長と利益を長期な視点で見ることを強調し、長期的成長には、パーパスこそがその原動力となるものであると再度訴求しました。

 

そして書簡の後半では、企業の透明化を訴えています。企業は、社会問題や環境問題に対する計画・進捗を明確にステークホルダーに伝えなければならず、透明化されていない企業に対しては、BlackRock社は株主として経営陣に反対票を投じる姿勢である、と締めくくっています。

ついに2020年代に突入した今、ラリー・フィンクのこの書簡には、これからの世の中にポジティブな変化が期待できそうな希望が感じられます。まずはこれを、良いニュースだと捉えるべきでしょう。

(ジャスティン・リー)