昨日のことがもう古くなっていることもある。しかし、10年先でも変わらないことがあります。変わることを考えることは重要です。
そして、変わらないことを考えることはもっと重要です。変わらないこととは、自分たちが信じていることです。それを考えることで、自分や組織がすべきことが明確になります。この辺りの重要性は、ピョートル・グジバチさんやサイモン・シネックさんのインタビューでも明らかになっています。SMOでは、それを「Purpose(パーパス)」と呼んでいます。日本語に訳すと「存在理由」や「志」といえるでしょうか。パーパスをしっかりと持った上で、未来を読み、自分ごとにしていくことがなにか大きな事を成し遂げるための道筋だと考え、SMOでは、パーパスと未来洞察の両軸でリーダーや経営者の方々にブランディングの提案をしています。
経営にもますます先端科学が導入され、AIのような人間以外に託すことができる部分も増え、精度が高い合理的な判断ができる素地は整いました。つまり、似た境遇の企業であれば、成功する確率はほぼ等しくなってきているのです。しかし、それだけでは、一時的に成功をつかめるかもしれませんが、本質的な差別化が困難となり、結果として長く繁栄し続けることが難しくなるのです。その解決策として”合理的と思える判断”を超えた、別な判断基準を持っているかどうかが鍵になります。それは「そもそもその企業がなぜ存在するのか」というwhyに対する答え(我々のいうパーパス)をきちんと持ち、それに則って判断や実行をするかどうかです。
TOKYO 2019では「パーパス」に関するSMO独自調査を行い、パーパスが経営に資するかについて検証を行いました。
さらには、想定外のことが日々起こる今、組織のリーダーには、未来を読む力が求められます。それも、これまでのように、過去と現在の延長線上にある未来ではなく、ジャンプした先の未来を読む力が必要です。
SMOでは、予測できない未来を洞察しています。そのプロセスと読み物としてのシナリオをご紹介してい
ます(TOKYO 2019内のP14)。また、我々の師でもあり、一橋大学で未来洞察の研究をされている鷲田先生にご登場いただき、未来洞察の重要性について語っていただきました。
今回は、リーダーに向けて「パーパスと未来を読む力」をテーマにTOKYO2019をつくりました。
お役に立てれば幸いです。
齊藤三希子