③問題提起だけでなく、パーパスを行動に移す
問題提起のメッセージで世間の興味を引いても、現代の親たちには、行動に移していないブランドは見抜かれます。子供達を外で遊ばせるというパーパスを、実際の行動に移すために、ブランドとしてツール開発やイベント開催を行います。
まずは、子供をもっと外に連れ出すよう、親たちに直接働きかけるため、ウェブサイトで外遊びのインスピレーションや実用的なヒントを乗せたコンテンツを出し、また、外遊びの100以上のアイデアを提供するアプリ「Persil Wild Explorers」を作成します。このアプリは、特別仕様で洗剤とのパック販売も行いました。
さらに、子どもたちは多くの時間を学校内で過ごしているので、変化を起こし始める真のチャンスはそこにあると考えました。そこで、「Empty Classroom Day」という、屋外授業を促進する取り組みを行います。この日に屋外の楽しさを知ってもらうことで、長期的な変化に向けて歯車が回り始めることを期待し、オンラインチャネルを利用して、保護者と先生の両方に登録を呼びかけました。
④結果、国民の関心事となって、子供たちが外に出る時間を774,000時間増やした。売上も回復。
このキャンペーンは大いに注目を集め、以下のような数字を出しました。
- Twitterのインプレッション数は2,260万回で、ユニリーバの基準を300万回上回る
- YouTubeでのミニドキュメンタリーの再生回数は45万回以上
- ソーシャルエンゲージメント率(「いいね!」、コメント、シェアの合計)は、ユニリーバのベンチマークを33%上回る
- 「Dirt is Good」ウェブサイト訪問者数は1万7,000人、平均滞在時間は2分を超えた。ユニリーバのベンチマークを大幅に上回る
また、カンヌライオンズ4つの賞、Campaign BIG賞、LIA賞、Shark賞などを受賞し、クリエイティブ業界でも高く評価されました。
そして、パートナー(インフルエンサーや権威者)、親、教育従事者の協力を得て、子供達の外での活動時間を77万時間増加させました。
そして、減少していた売上を回復させ、洗濯回数は、1,200万回増やすことに成功したと言われています。
パーパスを起点としたブランドのあり方、そして「子供達を外で遊ばせる」という彼らのパーパスをもう一度見つめ直したキャンペーン戦略、いかがでしたでしょうか。
あなたのブランドのパーパスは、現代の状況にきちんと合ったものなのか、合っていなければどう変えなければならないのか、世の中が急激な変化を迎えている今こそ、パーパスを見つめ直して考えてみてはいかがでしょうか。